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回想~10年前のこと~  偽りの関係1

작가: 煉彩
last update 최신 업데이트: 2025-06-27 22:09:45
 それから、私たちは自然と距離ができて、あんなにも毎日会っていたのに、お互いを見て見ぬふりをした。

 そんな日が続いて、どう考えても私があんなことを言わなかったらってずっと後悔していた。だから謝ろうと思って、海斗がいる図書館に行ったけれど、海斗はいなかった。

 次の日、海斗がいるはずの教室に行ってみたけれど、彼の席は誰も使っていない様子だった。

「あの、すみません。龍ヶ崎先輩はどうしたんですか?」

 海斗のクラスの先輩に声をかけてみたら

「ああ。あいつ、引っ越したよ。親の仕事の関係だって。海外へ行ったっぽいけど。キミ、あいつとよく一緒に居た子だよね?聞いてないの?」

 引っ越し?海外?放課後、勇気を出して海斗の家に行ってみたけれど、そこにはもう誰もいなかった。

 私がもっと早く謝れば、普通に話せる男女くらいの関係になっていたんだろうか。

 海斗は私が生きてきた中で、謝りたい人だったんだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「くるみは俺のことを変えてくれた。クラスに馴染めなくて、図書館にこもっていた俺に普通に話しかけてくれて。それから段々とクラスでもコミュニケーションを取れるようになったんだ。クラスマッチでバスケに出てた時、頑張れって大声で叫んでくれただろ?実は、あれはマジで嬉しかった」

 当時はそんなこと海斗の口から聞いたことはなかったし、新鮮だった。

 それから昔の話や今でも当時のゲームや漫画が好きなこと、いろんなことを彼の口から聞けた。

「今ではあの大手企業から出向されて部長だなんて。すごいね、海斗は」

「いや、そんなことないよ。親父のコネだってバカにされている」

 そういえば、海斗のお父さんってどこかのお偉いさんなのかな。仕事で海外に行くくらいだ。

「ううん。残業した時の海斗の仕事の早さ、すごくかっこ良かったよ。なんか、部長って感じだった」

「なんだよ、それ」

 ハハっと笑ってくれた顔は当時の面影が残っている。

 またこうやって普通に話せる日がくるなんて思ってもいなかった。

 照れくさくて、お酒を飲むペースがいつもより早い気がする。

 その時、私のスマホが鳴っていることに気づいた。

 相手を見る、大和だ。

 電話だ、なんだろう。

「ごめん。電話してくる」

 席を外し、海斗に聞こえないところで、画面をタップした。

<おい、お前。いつ荷物取りに
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